JR沼津駅から徒歩5分、沼津信用金庫の元支店ビルをリノベーションしてつくられたのが“まちづくりプラットフォーム”「ぬましんCOMPASS」。 2Fには地域を豊かにするための起業家やクリエイターが集う、シェアオフィス/コワーキングスペース「TENTOぬまづ」があり、 この沼津エリアであたらしいチャレンジをはじめたい人達が集うコミュニティプラットフォームです。1Fにはみんなの図書館「さんかく沼津」を併設、 3Fには沼津高専のサテライトオフィスと、ワークショップスタジオ「BUZZ」、3つのフロアで構成されています。
株式会社CocoStories | 髙橋洋さん
ぬましんCOMPASS入居者インタビュー、第3回目は株式会社CocoStories の髙橋洋さんです。「CocoStories」は、組織開発・人材開発を通じて、組織と人がより良い成果を生み出す支援をする会社です。社員一人ひとりの「強み」を活かし、チームとしてどう成果をあげていくか。また個人で活動している人に対しても強みを活かすための支援をしています。髙橋さんは「コーチング」「カウンセリング」「コンサルティング」という三つの柱をたて、総合的にサポートをされています。プライベートでは「海好き」という一面もお持ちで、沼津との関わりも長く、数年前にご家族で移住されました!
今回のインタビューでは、「CocoStories」の事業内容や、髙橋さんの今後の展望について、お話をお伺いしました。
組織開発と人材開発
ー業務内容を教えてください。
「主に組織開発と人材開発になります。従業員がいい成果を出せるように、組織と人の両方に働きかけています。
それぞれの『一番良い状態』がどのような状態かを分析し、その両方を一致させる、継続的な取り組みをしています。
メソッドとしては、『コーチング』『カウンセリング』 『コンサルティング』をワンストップで提供しています。ひとの強みを調べる『ストレングスファインダー®️』という世界標準の適性診断ツールを主に活用しています。
また、特に管理職、リーダーマネージャー、経営者層向けに、世界で唯一ストレス状況下で人の行動を予見予測できる検査ツール『Hogan Assessments』もおすすめしています。プレッシャーがかかったときにどのような行動をする可能性があるかを科学的に明らかにしておくことで、いざという時に冷静に対応できるようになります」
ー具体的にはどのように進めていくのですか?
「例えば組織運営がうまくいかない場合、経営者や管理職であるあなたのどういうパーソナリティがそれに影響を与えているのかという視点で捉えます。持っているパーソナリティは成功につながることもあれば、失敗につながることもあります。どのように成功パターンに繋げていくかを一緒に考えていきます。
1DAYの短いプログラムも可能ですが、根本的に改善したいというご希望の場合は、1年以上のコーチングを実施する場合もあります。やはり人間は時間が経つと元に戻ってしまいやすいので、定着のためには継続的な取り組みが必要です。
コーチングの内容は、グループ、セミナー、一対一などさまざまなやり方があり、その都度最適な方法に組み合わせを変えて行っています」
ーカウンセリングやコーチングに興味を持たれたのはいつ頃からですか?
「もともとIT企業で28年間働いていました。そこで人事を担当していた頃からです。
それまではシステムエンジニアやプロジェクトマネージャーを務めていましたが、リーマンショックをきっかけに人事部門へ異動しました。そこで人材開発を学びながら実践する中で、これが天職だと思いました。
人材育成やチームビルディングなどの取り組みは学問としても楽しく、アウトプットもより効率的にできている感覚がありました」
ー資格はどのようなものをお持ちですか?
「一番最初にとった資格はキャリアカウンセラーとキャリアコンサルタントでした。当時勤めていた会社で、新規事業として人材派遣をやりたいからということで、勉強することになりました。
基本的にカウンセリングは、悩みのある人を平常な状態にもっていくという、マイナスをゼロにもっていくもの。そして、ゼロからプラスにしていくのがコーチングです。どちらもやることで、あらゆる悩みに対応できるのではないかと考えています。
また、労働市場や労働法規についても知識を深めました。
誰しも、落ち込むことはあるし、いつかは前向きになります。その時に何を望んでいるかで支援の手法が変わってくるので、クライアントに信頼していただくためにも包括的に対応できるようになろうと思いました」
生き物としての自分を知ること
ー原体験があるとホームページで拝見しました。
「小学生のとき、父親の仕事の都合でフィリピンに3年間住んでいました。
現地での生活は楽しかったのですが、帰国後はいじめを受けることが多くなりました。
気づけば、周囲の人たちと馴染むために自分を偽るようになりました。それが学生の時から社会人になっても続いているようで、自分はどこか違う人間であると感じていました。
カウンセリングを学び始めて、強みの診断をする『ストレングスファインダー®️』に出会い、結果にとても納得できました。善し悪しではなく、自分はこういう生き物だから仕方がないと思うことができるようになり、とても楽になりました。
また、数人いればそこには強みの補完性を創り出すことが出来ます。チームでどのような傾向があるのか明らかにすることで、足りていないところを担保するための改善案を検討できるようになります。そうすることでチームに対しては、それぞれが得意なところで貢献することができるようになります。この考え方もとてもフィットしました」
起業のきっかけ
ーなぜ独立をしようと考えられたのでしょうか?
「資格を取得したことで、独立が選択肢に入りました。移住するタイミングも探していて、2018年に東京から沼津へ移住しました。1年半ほど新幹線で通勤し、2020年に退社。2021年に独立起業しました」
ー起業をされてみていかがですか?
「とにかく自由です。そして、健康になりました。
ただ、営業活動やSNSなどの苦手な部分もやらなければならないので、チームで仕事をすることの大切さも感じています。規模によっては他のパートナーのコーチに協力を頼むこともあります。自分には苦手なこともありますが、その代わりに脳みそが得意なところに配分されていると考えています!」
海の近くに住み、働くこと
ー沼津への移住のきっかけは何ですか?
「海釣りが好きで、船を持ちたかったんです!駿河湾は魚が釣りやすく、良いマリーナがあるので、大学時代から釣りをしによく通っていました。本当は船のキャビンで仕事がしたいですね。たまに船をマリーナに停めた状態でオンライン会議を行うこともあります(笑)
50歳になるまえに東京をでたいと決めていました」
ーぬましんCOMPASSに入居された理由は何ですか?
「独立にあたって、住所登記ができる場所を探していました。
ここは沼津信用金庫さんが運営しているので、地域で法人向けにビジネスをされている方が多く利用されているのだと思い、入居を決めました。」
文化づくりと移住支援
ー今後の展望はどのようなものでしょうか?
「会社としては、中小企業であっても継続的に従業員の能力観察開発ができるような仕組みをつくりたいです。費用負担を軽減するために何社か集まって研修を行うことなども可能です。個人の『強み』にフォーカスし、チームでもみんなが強みを活用することが当たり前だと思える文化をつくっていきたいです。また経営者が本音で語れる場も増やしていきたいです。
また、個人の活動としては、移住支援に力を入れたいです。
都心で働いている、社会経験のある50代くらいの方々に沼津に来てもらい、定住してもらうというのが良いと思います。その方々のビジネス創出や起業により、雇用を新たに創り出していただくことが理想です。
自治体の存続などを考えても、いかに適切に人口配分をし直し、どこの土地に誰が住むことがハッピーかを選択出来て変えられるようにしたいです」
ー最後に一言お願いします!
「私の仕事は話を聴くことです。
守秘義務がある安心できる環境で、対話のプロである私たちが話を聴かせていただき、ご自身で答えを見つけるということをぜひ実際に体験していただきたいです!」
自分の得意や不得意を認識することで、チームの中でどのように力を発揮することが最適なのかという立ち位置が見えてくる。さらに組織として従業員それぞれの特性を理解することでより効率的で豊かなチームワークを育むことができる。
変化の激しい時代に、どう人と人とが協力をして事業を行い、成功していけるのかという悩みをお持ちの方、ぜひご相談してみてください!
▽お問い合わせはコチラ
(株)CocoStories Webサイト
https://cocostories.jp/
text / photo:小林璃代子